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Quadrant Award 2015

エンジニアリングプラスチックや複合材料の研究開発においてグローバルリーダーであるクオドラントが主催するこのクオドラントアワードは、「エンジニアリングプラスチックおよび複合材料の材料や加工」をテーマにした博士論文を表彰する制度です。6回目となる今回は、2015130日金曜日に国際「クオドラントアワード」の授賞式が行われました。2012101日から2014930日までの間に上記の分野で博士論文を書いた世界中の大学院生と卒業生から応募の中から栄えある賞を受賞した4名の内、マサチューセッツ工科大学(米国)の研究者ピーター・デムス博士の論文が第1位(賞金15, 000ユーロ)に選ばれました。デムス博士は博士課程終了後、腫瘍学の免疫療法に関する材料科学的アプローチに重点を置いたボストンを拠点にするバイオテクノロジー企業のヴェダントラ製薬会社に入社し、現在は臨床前研究のシニアサイエンティストとして研究に取り組んでいます。他の3名の受賞者(アルファベット順)は、以下の通りです(賞金は各5,000ユーロ)。現在、ケンブリッジ大学ポストドクトラル研究員(英国)として、高層ビルの持続可能な構造に関する木材と竹の複合材開発をしているノッティンガム大学(英国)のダールシール・ウペンドラ・シャー博士(インド)、現在、プリンストン大学の機械工学および分子生物学でポストドクトラル研究員(米国)をされているイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(米国)のジン・ヤン博士(中国)、ハーバード大学医学大学院/マサチューセッツ工科大学(米国)麻酔科/化学工学科ポストドクトラル研究員(米国)をしているロン・ヤン博士(中国)。表彰式はチューリヒのスイス連邦工科大学(ETH)において開催され、今回初めて、業界リーダーによるプレゼンテーションも行われました。

1位 ピーター・デムス
Engineered Microneedles for Transcutaneous Vaccine Delivery(経皮ワクチンデリバリーにおける人工マイクロニードル)」
受賞理由:「エンジニアリングと科学における基本的な要素を社会的に将来性の高い製品コンセプトに応用する傑出した創造性です。この論文は商業的に可能なワクチンデリバリーを実現するための工学上の問題解決および生物工学における概念の理解を幅広くカバーしています」

その他クオドラントアワード受賞者3アルファベット順は以下の通りです賞金各5,000ユーロ

ダールシール・ウペンドラ・シャー
Characterisation and Optimisation of the Mechanical Performance of Plant Fibre Composites for Structural Applications(構造の応用における植物性繊維複合材料の機械的な性質に関する特性と最適化)」
受賞理由:「
亜麻繊維強化複合の微細構造と機械的性質の間にある複雑な関係を徹底的に分析しています。そしてこの生物由来の材料が、小型風力発電システムに適した柔軟な風車の羽を開発することにより、高性能用途に使用可能であることを証明しました」

ジン・ヤン
Collective Behavior of Driven Janus Colloids in External Fields(外部場におけるヤヌス粒子の集団的挙動)」
受賞理由:「バイポーラ粒子の電磁場との相互作用を研究するための画期的なモデルシステムを開発されました。彼のヤヌス粒子は時空間の自己組織から重要な相転移までの複雑な挙動を明らかにしました。このような素材は将来、ナノ粒子の移動を制御あるいはホストマトリックスの特性を調整する際に用途を見出すことでしょう」

ロン・ヤン
Prevention of Biofouling in Seawater Desalination via Initiated Chemical Vapor Deposition(化学蒸着による海水淡水化における生物付着の防止)」
受賞理由:「脱塩水の製造において逆浸透膜の技術を応用する際の重要なエンジニアリングの必要性に対処する技術を開発しました。双性イオン基を有する一般に用いられている膜の表面を改良したことで、生物付着の軽減において顕著な効果が実証されました」

審査員のメンバーは、国際的に高い評価を得ている大学や機関の教授からなり、材料およびプラスチック研究の分野において長年の経験があり、毎年多くの博士候補者を指導しています。

フォルカー・アルトシュテット博士・教授 
バイロイト大学応用自然科学部ポリマー・エンジニアリング学部長(ドイツ)

 

フランクS. ベイツ博士・教授
ミネソタ大学、化学工学および材料科学の指導教授(米国)

ティン・グルーベル博士・教授 
イリノイ大学アバナ・シャンーン校James R. Eiszner化学・物理学教授、コンピューター・バイオロジー・生物物理学教授(米国

ジャン・アンダース・マンソン博士・教授 
スイス連邦工科大学ローザンヌ校EPFLポリマー・コンポジット・テクノロジー研究室スイス

西敏夫博士・教授 
東京工業大学特任教; プログラム責任者、独立行政法人科学技術振興機構 (JST)(日本)

イグナス・ヴェルペスト博士・教授 
ルーヴェン・カトリック大学金属材料工学部コンポジット材料教授(ベルギー

ETHチューリッヒ校の複合材料および応用構造研究室のパオロ・エルマニ博士・教授は司会を務めましたクオドラントアワード2011の受賞者であるマックプランク高分子研究所(ドイツ)の梶谷忠志博も授賞式に参加し、受賞後の人生とキャリアについてスピーチを行いました。

今回、世界中から多数の応募がありました(合計56名。大学別:米国23名、アジア太平洋4名、欧州/アフリカ29名。国籍別:米国12名、アジア太平洋16名、欧州/アフリカ28名)。応募論文の水準が年々高くなっているのを見て、私たちは非常に喜ばしく思っていますこの国際的なクオドラントアワードは、世界中の優れた若手研究者の育成と 産学連携に貢献することを目的に設立されました

工業と学会間の交流をさらに高めるために、以下のプレゼンテーションが行われました:

自動車製造における軽量設計ストラテジー
ハンスヨルク・クルツ博士
/ フォルクスワーゲン AG(ドイツ)、技術企画および開発生産プロセスにおけるフォルクスワーゲンブランド

微構造化された複合材料
アンドレ
R. シュツダルト博士・教授 / ETH チューリッヒ校(スイス)、複合材料学教授; 材料とプロセス (MaP) のコンピテンスセンター長

医療における高性能ポリマーの役割
クリストフ・コスロフスキ―
/ ソルベー(スイス)AG(スイス)、営業開発シニアマネージャー ヘルスケア・ヨーロッパ

次回のクオドラントアワードは2017年に開催予定です

クオドラントアワードの贈呈品(盾)は、国際的に有名なスイスのアーティスト、ビート・ゾデラーがデザインしたものです。プラスチックの円盤が複合 的に重なったデザインは、熱可塑性樹脂は溶けて液状にもなりうるという発想に基づいています。紙やパネルの上に落ちた液状樹脂は様々な大きさの滴(しず く)を形成し、それはまた、革新的な発想が「雫のようにひらめく」ということを表現しています。ビート・ゾデラーはこの発想を円形の連なったレリーフ模様にしました。この盾には、ティルト(ベルギー)のクオドラント工場で製造されているErtacetal C blue 50 plasticが材料に使用されました。